在日という立場と国際結婚

私は在日なのでドイツにて結婚するときに、少しばかり大変だった。ただでさえドイツで結婚するとなると色々と大変だがそれに輪をかけて大変だった。

まず、ドイツで結婚する場合、手続きをするための相談にいく。そこで結婚をするために必要な書類を教えてくれる。夫はドイツ人なので出生届と住民登録の2種類だけだった。私は日本で生まれた外国人という定義になるので、日本での出生届、母国の本籍情報、現住所の住民票だった。そしてこれらを全て公的な翻訳家(ドイツ国が認めている免許を持っている翻訳家)が翻訳してスタンプを押してくれる。日本の書類は日本人の翻訳家に、母国の本籍情報は母国の翻訳家に頼まなければならない。なので本来ならば1回で済むものが、2回行ったり来たりしなければならなかった。果てしなく面倒臭い。

日本だと在日という立場は役所でもあまり取り扱いがないので、ちょっと複雑な手続きをする場合、役所の人がとても困ってしまう。手続きを断られることがたまにあった。私という人間がここに存在しているのに、手続きができないというのは毎度のことながら辛い気持ちになる。在日として生まれてきたのは私のせいじゃないし、帰化を選ばなかった両親の選択も誰かが責めるような問題でもない。

けれど、ドイツではそういう扱いを受けたことはなかった。結婚すると決めて役所に行った時も、担当者に私の国籍のことや出生地のことを話すと少しばかり困っていたが、それでもドイツで結婚するという事実には変わりないのだから、長い時間をかけて分厚い法律の本を片手に何人もの同僚に内線電話をかけたりしてくれた。
私は今まで、日本の役所が形式的に処理できないと言われてきた案件を解決するためには、私が法律の勉強をして市役所の人に指示をしなければならなかった。そうでもしないと、私の人間としての権利が失われてしまうからだ。実際に市役所で手続きしてくれないと認められない法的なことを、市役所は前例がないからとか、特別な例だからやり方がわからないってだけで断られるケースはたくさんある。そういうものを少なからず私は向き合ってきたのだ。それがドイツでは私という人間が目の前にいて手続きを望んでいるのであれば、たとえそれが在日でも手続きできないわけがないのだから、と向き合ってくれたのである。私はドイツで散々嫌な目にも遭ってきたが、こういう時に人々の意識の違いを感じる。

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