出生地は個人情報

昨日歯医者の検診に行ったときに問診票を記入した。個人情報は名前、住所、連絡先などに加えて出生地を記入する時がたまにある。ドイツで暮らしていると出生地を聞かれることがかなりある。銀行で手続きしたり、電話で問い合わせをするときにも出生地を聞かれることがある。

しかし日本では出生地は重要視されていない。パスポートにも載っていないし、自分の出生地を証明するには戸籍謄本などが必要だ。しかし在日の私には戸籍謄本がない。だから出生地の証明は母子手帳と出生届の二つしかない。しかもすぐに取り寄せることができないので、ドイツで国際結婚をしたときに取り寄せて翻訳しておいた書類を大切に保管している。

私の韓国パスポートにも出生地は記載されていないし、韓国の戸籍謄本にも記載されていない。私がドイツで出生地を証明できるのはすごく手間がかかって面倒臭い。

出生地が個人情報の一部であることは、国によって規定が違う。
日本や韓国だと誰の子供か、というのが重要であるが
ドイツだとどこで生まれたのか、というのが重要になってくる
実際に、日本で生まれた私を見て、ドイツ人は私のことを日本人だと思い込んでいる。だから初対面でどこからきたの?と聞かれると、日本から来たと私が答えることによって自動的にドイツ人は日本人だと認識する。なぜならドイツで生まれた外国人はドイツ国籍になるし、両親が他国出身であっても子供はドイツ人と同じ扱いになるからだ。

自己紹介をするときに、自分は日本で生まれたけど両親は韓国人だから韓国人で、日本では外国人の子供に日本国籍を簡単に与える制度にはなっていないと説明する。そしてアジアのほとんどの国ではそうであることも伝える。これはアジアが劣っているとか制度がちゃんとなっていないからではなくて、誰の血をひいているかという家族単位を大切にしているからであることも。
ここまで話しても理解できる人は少ない。自分の知っている世界とはまったく違うシステムで運営されている国が存在していることに対して、優劣をつけたがる人もいる。そこで自分の国は素晴らしいだの、ドイツではそんな煩わしいことはないよね、と言われてもそんなことで競争してどうするのだと思う。しかし人々はこうやって、時に自分より劣っている誰かを見つけることで自分を肯定する。そういう人間はドイツ人に限らず世界中にいるのだ。

私はドイツに住んでいるからこの出生地の証明問題が面倒ながらもこれから何度も聞かれるであろうことを想定して書類を大切に保管している。この制度は無くなって欲しいと心の底から願うがそういうわけにはいかないだろう。ドイツではどこで生まれたか、が重要視されて、日本では誰の子として生まれたか、が重要視される。たったそれだけの違いなのだ。

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